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古文の書き方 用言の活用@

今回は、用言の活用を紹介し奉らむ。歴史的仮名遣ひの項目もあれど、前回の記事の変更過程をを読みたまふ御方ならば心得らむと思へど、最終的な文のうちに、歴史的仮名遣いを変更せる折に書けるものはつゆ残らねば、さしも重要にあらず、とて、今回は省略せむと思ひ侍り。ゆかしと思す御方は、http://www32.ocn.ne.jp/~gaido/kana/を参照すべし。

また、歴史的仮名遣いは、我とてひがごと多ければ、さかしげにかくかくと説明せむも如何に、とおもへば。

よろづの教科書とつゆたがはぬ説明となりて、いみじくあじきなき項目なれど、今後の準備なれば、たへるべし。

たへよ、と申せど、「古語」といへども、なほ日本語なれば、現代語の活用に似たるところ多し。
方針とて、現代語とたがへるところを重視しつつ、説明とせむ。
動詞の活用をマスターしたまへる御方は、読までとくやりてむ。

五段活用→四段活用orナ行変格活用orラ行変格活用or下一段活用

現代語における活用のうちにて、五段活用といふものあり。こは、打ち消しの「ない」をつけし折に、その前の文字がア段となるものなり。
こに遭遇せし折には、一部の例外を除きて、四段活用にすべし。「読む」「書く」を例にとりて、説明せむ。「読む」は打ち消さば「読まない」となるなり。「ま」はア段なれば、こは五段活用動詞なり。さながら四段活用とせむ。「書く」もまたしかり。活用形を示し奉らむ。
動詞 語幹 未然 連用 終止 連体 仮定 命令 備考
読む ま・も み・ん マ行五段活用
書く か・こ き・い カ行五段活用
動詞 語幹 未然 連用 終止 連体 已然 命令 備考
読む マ行四段活用
書く カ行四段活用
活用形はシンプルにして、現代語と似たるところ多ければ、さしも難からざらむ。注意すべきところは、音便をこたびは使はず、といふことなり。「書いて」「読んで」は、わろし。(「書ひて」ならばあしからず)古文のごとき文は、「書きて」「読みて」とすべし。

原則には、例外あり。五段活用動詞には、例外はなはだ多し。
動詞が とすべし。こたびは、現代語にある動詞のみを箇条書きにせど、
「往ぬ」もナ行変格活用、
「はべり」「いまそかり」もラ行変格活用なり。
多きさまなれど、下二段活用、ナ行変格活用、ラ行変格活用、いづれもこれより他になければ、
こを記憶しなばよろづ問題なし。
活用形を示し奉らむ。
動詞 語幹 未然 連用 終止 連体 仮定 命令 備考
蹴る ら・ろ り・っ ラ行五段活用
死ぬ な・の に・ん ナ行五段活用
ある ら・ろ り・っ ラ行五段活用
動詞 語幹 未然 連用 終止 連体 已然 命令 備考
蹴る ける ける けれ けよ カ行下一段活用
死ぬ ぬる ぬれ ナ行変格活用
あり ラ行変格活用
下一段活用は、現代語の活用語尾と同じし。しかれども、現代語の下一段活用の動詞に、古語の下一段活用となるものはつゆなければ、(「蹴る」一語のみなり!)
そに注意すべし。
ナ行変格活用は、四段活用に似たるところ多し。
しからば、連体形と已然形のみに注意すべし。

ラ行変格活用は終止形のみ注意すべし。
残りは、五段活用と同じかれば。

長くなりぬれば、こたびはこれにて終了せむ。次回は下二段活用、上二段活用、カ行変格活用に挑戦せむ。

練習

けふの成果を練習にて試みたまへ!

★指定されし、正しき文語の活用形にすべし。
@(死ぬ)ときは一緒だよ…。→連体形
Aピザって10回(言う)て、質問に答えてね。→連用形
Bここにモンスターボールが三つ(ある)。→終止形
Cボールは…ズッ友だカラ…アタシは…(蹴る)ないょ…。→未然形


解答はこちらなり。

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