古文の書き方 助動詞K その他の助動詞 実践編
昨日学校へ行きしときに、道端で光れるものを見つけき。不思議に思って近づいてみしと、1円玉なりき。誰かが落としけむ、盗んでいきてましと思ひし、ですが、落としぬる人は今頃困るらむ、悪いことはすまじと思えて、交番に届けることにしき。学校に遅刻したら困るな、と思いながら急いで交番に行って、紺の服を着たおまわりさんに1円玉を渡すと、「ありがとう。分別ある大人でもここまではせざらむ。友達にもこんなことがあったらこうしてもらってほしいな。拾い主がいれば1割もらふべきだけど、1円じゃ無理ならむ。おお、学校に遅刻する時間ななり。遅刻すんなよ。じゃあ、これ持ってけ。」と言って、ミカンをもらひぬ。学校には遅刻しき、が、いいことをしてけり、という気持ちで食ひしみかんはとてもおいしかりけり。
この文章の残りの助動詞部分を、古文にせむ。悪いことはすまじと思えて
悪いことはすまじと思はれて
「思えて」部分は自発の意なり。「思ふ」は四段活用なれば、「る」を使用し、「思はれて」とせむ。
友達にもこんなことがあったらこうしてもらってほしいな。
友達にもかくのごときことがあったらかくせしめてほしいな。
「こんなこと」は、「このようなこと」ならむ。しからば、ごとしを使用せむ。「かくのごとき」は定型文なれば、さながら採用せむ。
「してもらう」も使役なり。願望もまじれば、現段階にてはいささか訳しがたけれど、「せしむ」とせむ。のちのつながりは、今は適当にせむ。助詞編にてはかばかしく直さむ。
…変更点は以上なり……残りの助動詞など、かくのごとき程度の使用頻度なり。
練習
★カッコ内を古文にすべし。動詞はさながら残すともよし。@ああ…君はまるで(バラのようだ)
A天使が僕を君に(逢わせた)んだ。
B僕と君の間にはただならぬ運命を(感じるね)。
C痛っ…いや、僕じゃなくて。君のとげに(刺された)んだよ。
解答はこちら
次回は助詞編なり。
< 前回の記事 古文の書き方 助動詞I | 次回の記事 古文の書き方 助動詞K >