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古文の書き方 助動詞I 推量・断定の助動詞 実践編 解答編

@ワイルドならむ?

形容動詞「ワイルドなり」+推量。「む」は未然形接続なれば「ワイルドなら」とすべし。「ワイルドなるべし」も可。「まし」には推量の意もあれば、(まれなれど)「ワイルドならまし」も可なり。ほかの意ととられること多ければ、使用せぬぞ無難なる。

Aワイルドならじ。

形容動詞「ワイルドなり」+打消推量。「じ」は未然形接続なれば「ワイルドなら」とすべし。「ワイルドなるまじ」も可。「ワイルドならざらむ」も可。「ワイルドならざるべし」「ワイルドならざべし」も可。最も良き語感、語調のものを選ぶべし。意味の強さよりほかに相違なし。

B帰りてまし。

帰る+完了(自発的)+ためらいの意志。完了の助動詞は連用形接続なれば「帰り」、ためらいの意志の「まし」は未然形接続なれば「て」とすべし。自発的ならぬ「ぬ」側にし、「帰りなまし」とせむも文法的にはあしからねど、「ぬ」は意に反する系完了なれば、文脈的によからず。
余談なれど、「てまし」「なまし」などは、強意+推量の意となること多し。

C帰りぬめり。

帰る+完了(非自発的)+視覚的推定。完了の助動詞は連用形接続なれば「帰り」、視覚的推定の接続は終止形なれば「ぬ」とすべし。逆に、今回は「つめり」とせむが文脈的によからず。

D言ひてけむ。

いふ+完了+過去推量。いづれも連用形接続なれば「いひ」「て」とすべし。「どうして」が前にあれば、「過去の原因推量」ともいふべし。

E怒れるなり

怒る+存続+伝聞。「り」はエ段の接続なれば「怒れ」、伝聞は終止形(ラ変型は連体形)接続なれば「る」、とすべし。

F謝らむor謝るべし

謝る+適当。「む」も「べし」も両方適当の意味あり。「べし」は意味強く、命令に近し。いづれもあしからず。

推量系助動詞は使用頻度高ければ、ぜひマスターしたまへ!!

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