古文の書き方 助動詞C 練習問題解答例

さて、解答例なり。

@舞ひ下りし(△舞い降りつる)

過去と完了のニュアンスの差異はあまりに少なし。こたびは前後の文もなければ、をさをさ判断もえせざらむ。「中二感」を重視せば、過去の助動詞「き」の連体形を用ゐむがうべうべしからむ。

A手に入れつ(△手に入れり)

「温かさを手に入れた」といふ行為は「過去の事実にして今はさにあらぬこと」にはあらざらむ。「今は温かさをば持たず…><」ならば心なからむ。「手に入れる」といふ動作の完了と見、完了の「つ」(この場合意識的なれば「ぬ」にはあらず)を使用すべし。「過去に完了せし動作の存続」と見、「り」を使用せむもあしからざらめど、この場合は「現在温かさを入手中。。。」といふ解釈をさるる可能性あり。

B囁けり

意味は存続にして、「囁く」は四段活用なれば、「り」をつかふべし。こはやすからむ。

Cたどり着きぬる/たどり着きし/たどり着きける

文脈の判断ぞ難き。この文章の解釈によりて古語も変化すべし。「たどり着く」といふ動作の完了にして、己の意志によらで、ふらふらと原宿に至りぬ、といふことを表現せむと思へば「たどり着きぬる」
「たどり着く」といふ過去の事実、といふことをドライに表現せむと思せば「たどり着きし」
過去を思ひ起こすがごときニュアンスを表現せむと思せば「たどり着きける」とすべし。私見を申さば、「たどり着きける」ぞよからむ、と思ひ侍り。所以ははかばかしからねど…。

D大アリなりけり

「大アリだ」ならば、なのめの形容動詞の断定とすべきなれど、「大アリだな」なれば、詠嘆のニュアンスあり。詠嘆の助動詞「けり」を使ひて、詠嘆を表現せむ。詠嘆の表現には「大アリなるかな」などもあれど、さのごときものどもは助詞の折に紹介し奉らむ。

練習問題の難度はいかに?心得がたき所あらば、ツイッター上にて聞きたまへ。いとレベルの高きことは、えいらへぬことあれど…。
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