古文の書き方 用言の活用C 練習問題解答例
さて、解答例なり。@大きく(連用形)
後ろの語「なる」は、助動詞にもあるものなり。識別は難けれど、こたびは断定の助動詞にはあらで、伝聞・推定の助動詞にもあらで、ラ行四段活用の動詞なり。いづれ識別法を紹介せむと思へど、こたびは直観に頼るべし。さて、後ろの語がなのめの動詞なれば、本活用をとるべし。大きい→「大きし」は「なる」を後ろにつくれば、「大きくなる」なれば、ク活用なり。されば、連用形は「大きく」なり。
しかれば、正解は「大きく」
Aなけれ(已然形)
ない→「なし」は、「なる」をつくれば、「なくなる」なれば、ク活用なり。已然形は、カリ活用なければ、さながら「なけれ」とせむ。しかれば、正解は「なけれ」
B多かれ(命令形)
多い→「多し」は、「なる」をつくれば、「多くなる」なれば、ク活用なり。命令形は、カリ活用なければ、さながら「多かれ」とせむ。しかれば、正解は「多かれ」
C静かなる(連体形)
形容動詞の活用なり。漢語ならねば、ナリ活用にせむ。連体形は、「静かなる」なり。理屈はシンプルなれど、現代語の語感に引かれ、「静かな」とすること多し。(ことに、我はこのひがごと多し!!)そこなひても、さしもすさまじからねど、注意すべし。しかれば、正解は「静かなる」
Dうつくし(終止形)
形容詞の終止形は、ク活用、シク活用にかかずらはで、「語幹+し」としてむ。※「うつくし」はシク活用なり。古語の「うつくし」は、小さくてらうたし、といふ意味なれば、「うるはし」が模範解答なり。この変更は難ければ、せでもよからむ。
しからば、正解は「うつくし」
E普通なら(未然形)
「普通」は、漢語なれば、タリ活用もあしからざらめど、こたびはナリ活用にせむ。未然形はラ行変格活用の要領にて、「普通なら」とせむ。しかれば、正解は「普通なら」
練習問題の難度はいかに?心得がたき所あらば、ツイッター上にて聞きたまへ。いとレベルの高きことは、えいらへぬことあれど…。
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