生きよ、汝はきよらなり
— やむごとなき名言botさん (@meigen_heian) 2012年9月27日
出典
「生きろ、そなたは美しい」映画「もののけ姫」より。アシタカがサンにむけて放ったセリフです。ネタバレになりそうですし、「もののけ姫」をわたしが見てないのでよくわからないですし…ということで詳しくは映画を見ればいいと思うよ!…。
注釈・解説
生きよ(カ上二・命令)、|汝(名)|は(係助)|きよらなり(形動ナリ・終止)☆生きよ
「生きる」は文語だと「生く(いく)」です。四段活用だったり上二段活用だったりするようです。今回は上二段活用で命令形にしました。四段活用にすると「生け、」となって字足らずなので…。古語で命令文を書くときには、上一段・下一段活用の場合は「ろ」を「よ」に変えて、五段活用の場合はそのまま、もしくは「べし」を使うなどすると、それっぽくなりますよ。
☆いろいろな「うつくしい」
古文にはたくさんの「うつくしい」を意味する言葉があります。ちょいと紹介します。かなり美学的な話であんまりよくわからないかもしれません…。
-
うつくし
現代人が真っ先に思いつくものです。が!これは「かわいい」系なので、試験のときなんかに「うつくしい」と書くと×にされます。「小さくてかわいい」というような、肉親的な愛情であったり、幼児にむけられるタイプの「かわいさ」という意味です。枕草子の「うつくしきもの」なんかを思い浮かべていただければわかりやすいはずです! -
なまめかし
若々しくてみずみずしいタイプの美しさを表しています。「うつくし」的なものよりもう少し年齢がいってる感じですが、老成された端正な美しさとは別のようです。現代語の「なまめかしい」だと、エロいみたいな意味ですが、古語の「なまめかし」には、あんまりそういう意味はなく、「えんなり」が相当するようです。 -
うるはし
端正で整った美しさをあらわしています。そこから転じて「お作法がしっかりしている」「きちんとしている」みたいな意味でも使われています。 -
きよし
シンプルに「けがれがない美しさ」を表してます。「さわやか」「邪念がない」「潔白」のような意味でも使われる、割と汎用性の高い言葉です。 -
きよげなり
「うつくし」は形容詞なのに、こちらは形容動詞です。現代語でも「かわいい」は形容詞でも「きれいだ」は形容動詞ですからね。…あんま関係ないですね…。
こちらは、「悪いところが思い当たらないくらい、内面外面ともにけがれがなくて美しい」といった意味です。 -
きよらなり(けうらなり)
一方で、「きよらなり」は高貴な感じが加わって、「これ以上にないくらい美しい」という、かなり上位の概念のようです。今回はこれを採用しましたが、あんまり深く考えてなかったです…。 -
あてなり
上品で優雅な美しさを表しています。漢字で書くと、「貴なり」。 -
いうなり
やさしくて、落ち着いた優雅な美しさを表しています。漢字で書くと「優なり」。 -
えんなり
つややかで、あでやかな美しさを表しています。漢字で書くと「艶なり」。 -
をかし
この美的概念は、私もまだよくわかってないですし、たぶん本が一冊書けるレベルだと思うのでやめときます。
関連項目
>戻る
>ホームへ