パンなからば、菓子を食はばよきものを。

— やむごとなき名言botさん (@meigen_heian) 2012年9月11日

出典

「パンがなければ、ケーキを食べればいいじゃない」
フランスブルボン朝の王妃マリー・アントワネットの発言です。原文は「彼らはブリオッシュを食べるように。」…らしいです。

注釈・解説

パン(名)|なから(形・未然)|ば(接助)|、
菓子(名)|を(格助)|食は(ハ四)|ば(接助)|よき(形・連体)|ものを(終助)|。

☆接続助詞「ば」
未然形接続なら仮定、已然形接続なら確定の条件を表す接続助詞です。汎用性が高いのでよく使われますが、これのせいで文章がだらだらと長くなるし、ちゃんと品詞分解しないと意味を取り違えることもあるしで、古文の難易度を挙げている一因の一つともいえます。憎いやつですねえ…。
@元気のあらば、何かはえせぬ?
→元気があれば、何でもできる!(反語です「何ができないだろうか?いや、何でもできる」)
A元気のあれば、何かはえせぬ?
→元気があるので、何でもできる!(同じく反語です)
あと、読むときは、文中にこれがあると、主語が変わってる可能性が高いのでご注意ください。変わってないことも多いですけどね…。上の例文だと、前半の主語は元気で、後半の主語は人ですよね。

☆菓子
平安時代にケーキはないので、菓子にしましたが、よくよく考えるとお菓子も平安時代にないっぽいですね!旺文社の古語辞典にも「菓子」「お菓子」の項目はありませんでした…。少し調べてみると、平安時代には唐菓子(からくだもの)と果餅(かへい)があったようで、これがお菓子に当たるもののようです。ネットの情報ですが…。これらは神前に使われたりと、ガチでやむごとなき人しか食べられなかったようです…。詳しくはこちらをご覧ください。

☆終助詞「ものを」
「…のになー」という感じの意味です。このまま文が続くと、単なる逆接になります。「伏籠のうちにこめたりつるものを。」という源氏物語のフレーズをふまえています。このセリフ、王妃も若紫みたいに無邪気に言ったのではないでしょうか…。

関連項目


>戻る
>ホームへ